明星大学心理学年報 第30号 page 17/58

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磯谷・岡林：大学生の友人関係におけるソーシャルサポートの授受と自我同一性との関連13一性の確立に及ぼす影響には性差があるということが明らかになったものの，このような性差がどのような機序で現れたのかについ....

磯谷・岡林：大学生の友人関係におけるソーシャルサポートの授受と自我同一性との関連13一性の確立に及ぼす影響には性差があるということが明らかになったものの，このような性差がどのような機序で現れたのかについての明確な説明はできない。何故，サポートの授受が自我同一性の確立に及ぼす影響に性差が出たのかについては，今後の研究で明らかにしていく必要があるだろう。また，本研究では分析の際に合計９つの群を設定したが，群によっては極めて少数の人数になってしまった。より精度の高い分析を行うためには，更に多くの人数を対象に研究を行う必要があるだろう。最後に，本研究では一時点での調査しか行っていないため，時間を追った縦断研究的な手法は取られていない。今後は本研究で得られた因果関係をより明確にするために複数時点での調査を行い，縦断データを用いた研究を行う必要があるだろう。引用文献Brown,S.L.,Nesse,R.M.,Vinokur,A.D.,Smith,D.M. (2003). Providing social support may bemore beneficial than receiving it :results from aprospective study of mortality. PsychologicalScience, 14, 320-327.Caplan, G. (1974). Support systems and communitymental health. New York : BehavioralPublications. (カプラン, G.近藤喬一・増子肇・宮田洋三（監訳) (1979).地域ぐるみの精神衛生星和書店）Cialdini,R.B.,& Kenrick,D.T. (1976). Altruismas hedonism :A social development perspectiveon the relationship of negative mood state andhelping. Journal of Personality and Social Psychology,34,907?914.Erikson, E. H. (1959). Identity and the life cycle(selected papers of E. H. Erikson). New York :International University Press. (エリクソン, E.H.小此木啓吾（編訳) (1973).自我同一性-アイデンティティとライフ・サイクル誠信書房）福岡欣治・橋本宰(1997).大学生と成人における家族と友人の知覚されたソーシャル・サポートとそのストレス緩和効果心理学研究, 68,403-409. (Fukuoka,Y.,&Hashimoto,T. (1997). Stress-bufferingeffects of pereived social supports fromfamily members and friends : A comparison ofcollege students and middle-aged adults.Japanese Journal of Psychology,68, 403-409.)福岡欣治・友野江都子・橋本宰(2000).女子学生と既婚中年女性におけるソーシャル・サポート・ネットワークと自我同一性静岡県立大学短期大学部研究紀要,14, 63-76. (Fukuoka,Y.,Tomono,E., &Hashimoto,T. (2000). Social support networksand ego-identity of female college students andmiddle-aged women. Annual Report of Universityof Shizuoka, Junior College,14,63-76.)周玉慧・深田博巳(1996).ソーシャル・サポートの互恵性が青年の心身の健康に及ぼす影響心理学研究, 67, 33-41. (Jou, Y. H., & Fukada, H.(1996). The effects of social support reciprocityon mental and physical health of young adults.Japanese Journal of Psychology,67,33-41.)宮下一博(1995).青年期の同世代関係落合良行・楠見孝（編)講座生涯発達心理学第４巻自己への問い直し：青年期金子書房pp.155-184.(Miyashita,K.）宮下一博(1998).青年の集団生活への関わり及び友人関係とアイデンティティ発達との関係千葉大学教育学部研究紀要第一部, 46, 27-34. (Miyashita,K. (1998). Relations of participation ingroup activities and friendship to identity developmentin adolescence. Bulletin of the Facultyof Education, Chiba University. Part I,46,27-34.)宮下一博・渡辺朝子(1992).青年期における自我同一性と友人関係千葉大学教育学部研究紀要第一部,40,107-111. (Miyashita,K.,& Watanabe,T.(1992). The relationship between ego identityand friendship in adolescence. Bulletin of theFacultyof Education,Chiba University.Part I,40,107-111.)森本寛訓(2006).ソーシャル・サポートの互恵性と精神的健康との関連について川崎医療福祉学会誌, 16, 325-328. (Morimoto, H. (2006). Therelationship between social support reciprocityand mental health. Kawasaki Medical WelfareJournal,16,325-328.)下山晴彦(1992).大学生のモラトリアムの下位分類の研究・アイデンティティの発達との関連で教育心理学研究, 40, 121-129. (Shimoyama, H.(1992). A studyon thesubclassification ofmoratoriumof university students :In relation to theidentitydevelopment. Japanese journal of educationalpsychology,40,121-129.)竹澤みどり・小玉正博(2004).青年期後期における