心理学年報31号 page 7/54

心理学年報31号

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榎本・竹内:アスペルガー障害児におけるビデオセルフモニタリングによる不適切行動の制御3シーン落ち着いているちょっと興奮興奮とても興奮危険1123452123453123454123455123456123457123458123459123451012345111234512123451312345141234515123451612345171234518123451912345201234521123452212345231234524123452512345Figure 2モニタリングシート標的行動および測定方法本研究では,参加児の不適切行動,トレーナーの注意を受けてから不適切行動を停止すること(以下,不適切行動の停止)の2つを標的行動とした。1点目の不適切行動とは,音声言語以外で報告場面に関係のないすべての行動と操作的に定義した。実際に本研究で見られた不適切行動は,トレーナーに対する暴言例:「ひきょう者が,うざい」,「うそつき,嫌われて嫌われてしょうがないんでしょ」,「(先生の)バカな日常をビデオで撮って」,「キモ,グロいんでしょ」),報告を阻害する発言(例:「しーらんぺったんごーりら」,?雑草だ,雑草」,?眼鏡じゃがいも」)などの不適切な言語行動の他に,消しゴムのカスをトレーナーへ投げ続ける,鉛筆を奪い落書きをする,トレーナーのメモを奪って破り捨てるなど報告を著しく阻害するものであった。2点目の標的行動である不適切行動の停止は,トレーナーから不適切行動を止めるような言語指示を受けてから,不適切行動を止めることと定義した。各標的行動は,ビデオカメラで撮影した言語報告場面7セッションを分析することで評価した。参加児の不適切行動は,定義を満たす行動が継続した時間を測定した。各セッションの総時間が不均等であったことから,10分あたりの不適切行動の継続時間を算出し評価指標とした。10分あたりの不適切行動の継続時間は,不適切行動の総従事時間を各セッションの総時間(分)で割り,10を掛けることで算出した。不適切行動の停止は,トレーナーが制止行動を生起してから参加児が該当の不適切行動を停止するまでの時間の合計を測定することで評価を行った。結果標的行動のパフォーマンスの推移をFigure 3に表した。Figure3は言語報告場面での標的行動の生起時間および経過時間を提示したグラフである。まずFig-